DENS 片割れの さべあです。
この度は当家のBabsのことで皆さまにご心配とご迷惑おかけしてしまい、大変申し訳ありません。
本来ならブログのような公の場で、自分の犬の病気について大げさに報告する事は不本意なのですが、何せ個展終了の翌朝に起こったアクシデントで、会期前よりペンディングにしていた様々なお問い合わせやお仕事のご依頼等に迅速な対応が出来なくなってしまった為、やむなく事情をお伝えするに至りました。
今後のお問い合わせへの対応や 予定していた通販についてのご案内は、ひとつ下の『個展終了のご報告および、お礼とご挨拶』の記事をご参照下さい。
また、ご心配を頂いた皆さまには、事の経緯とその後の経過をお伝えしたいと思います。
長くなりますので、以下をクリックしてご覧頂ければと思います。m(_ _)m
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Babsの病名は洞不全症候群と言います。
拍動に密接な関係のある洞結節の働きが低下するため心臓が規則正しく収縮出来ず、徐脈状態や脈の停止が続き、めまいや失神を繰り返すというものです。
シュナウザーの高齢の♀に好発する疾患だそうです。
今までも若い頃のてんかん症に始まり、高齢になってからの子宮蓄膿症の手術や、高脂血症に対する処方食の食餌療法などなど…自分達が認知して対処してきた既存の病気は数々ありましたが、心臓疾患については今回の発作を起こすまで予兆が無かったため、全く思いもよらぬ出来事でした。
たぶん定期的に心電図などの検査をすれば、見つかっていたのかも知れません…が。
最初の異変は個展最終日の翌朝。
会期を終え犬共々 久々に爆睡状態だったのですが、ふと臭気に気付き目が醒めました。見るとワタシのベッドの足元で寝ていたBabsが床の上で不動のまま立って居り、その足元にはこんもりと脱糞されたブツが…。臭いワケです。
普段のBabsはトイレを屋外でしかせず、部屋の中では絶対に用足ししないので、個展中の疲れが溜まって体調崩したかな…とは思いつつ、水飲み場のある居間のドアを開けてやり、ついでにワタシもトイレに入りました。すると、居間からドンという音が…?
急いで行ってみると水皿の脇でBabsが横向きに倒れていました。これが最初の発作でした。
失神という程でもなく、目も開いて意識もある様子ですが、ソファの上に寝かせるとそのまま動こうとしません。寝かして様子見ましたが、しばらくして自力でソファを降りて水を飲みに行ったかと思うと、やはりその場で倒れてしまいます。
その日は個展の搬出時に車に積みきれなかった荷物をギャラリーに取りに行く約束でしたので、車で出掛けたDENが戻って来るのを待って、かかりつけの病院に連れて行きました。
病院での検査の結果、心電図に異常が見つかりました。かなり危険な状況なので、即時ペースメーカーを埋め込む手術を勧められたのですが、費用がかなり高額な事と施術可能な大学病院が遠方であること、また高齢で体力も低下しているため麻酔などが原因で手術中に死亡する可能性もある…などの理由から、どうするかは飼い主の希望と判断次第で…という話になり、まだ他にも怪しい部分があるので、他の検査結果が出て原因の絞り込みが出来るまで、取り急ぎ内科的な診療で様子を見ることになりました。
自分達は数年前に父親の末期癌の治療および手術後から最期に至るまでの経緯を体験して、本人や家族にとって高度医療による治療だけが最良の選択肢ではない事も学習していましたし、Babsの12歳近い年齢を考えると直ちにぺースメーカーをつける手術を受ける事には踏み切れませんでした。
それに不眠不休だった個展が終わって、やっとこれからBabsとゆっくり静かな休息時間を過ごせると思っていた矢先に、いきなり手術・入院で離ればなれになることが、犬と飼い主双方の不安やストレスを増長してしまうのが心配で、何より、万が一の場合に最期を看取れなくなるのだけは嫌だったのです。
それで取りあえず、日中は心拍数を上げるための点滴を病院で受け、夕方〜朝までは自宅で定期的に脈拍を計りながら、注射を打つなどの看護を続ける事になりました。
Babsは一時は脈も上がり、このままペースメーカーの適応無しでも大丈夫かも…という兆しも見せたのですが、先週後半より食餌を再開した頃から状態が悪化し、あまりの失神と吐きのひどさに深夜の病院に駆け込んだりもしました。
でも、すでに通院&自宅看護による内科的治療は限界に達してしまったのか、薬の効果も出なくなっていた様です。
不安定な中抜けの波形になった心電図や、測定不能な脈拍に機器が混乱してメチャクチャな数値を示してる様を目の当たりにして、DENもショックを受けたようでした。その夜、個展前からずっと保って来た自分達の気力は一気に崩壊してしまいました。
先週末は朝起きることも出来ず、通院も取りやめて、このまま自宅で最期を看取るつもりで、ただ傍に置いて見守っている時間が続きました。
でも、深夜のBabsは首を上げることも出来ずぐったりとして、脈拍も計るに忍びないほど弱くまばらで、自分達が仮眠から醒めた頃には逝っているかも知れない…と覚悟を決めるのですが、朝になるとしっかりとした顔つきでこちらをの言動に反応し、流動食も食べたり、外に出せば歩いてオシッコもしたりするのです。
まだまだこの子には生きたい気持ちと生命力がある…とわかると、このまま何もせずに逝くのを待つワケには行かず、遅まきながらペースメーカー適応の決心を致しました。
週明けて月曜日、午前中にかかりつけの病院に駆け込み、再度点滴を受ける間に、連携の取れる相模原のA大学の動物病院に連絡をとって頂き(幸いこの日はかかりつけの病院の副院長先生が、母校のA大学に出向いている日でした)、その間自分達は急遽仕事先の会社へ出かけて、翌日に予定していた打ち合わせを先に済ませて頂いたりしました。午後3時過ぎに携帯に連絡が入り、夜6時〜7時くらいにペースメーカーが届いて手術可能になるとのこと。
急いでファミレスで食事を済ませ(気付けば朝から食べてなかった…)(^_^;)、自宅に舞い戻って相模原に一泊するつもりで荷物をまとめ、かかりつけの病院にBabsと引継ぎ用書類一式を受け取りに行きました。
中央高速を飛ばしてA大学付属の動物病院に到着したのは午後7時半頃。
広いキャンパスはまっ暗で不安になりましたが、待機していたかかりつけの病院の副院長先生が迎えに来て下さいました。
早速、詳細な問診と、循環器ご専門の先生による念入りな術前検査が行われ、その後、検査結果の報告と今後予測される危険性についても説明を受け、全てを納得した上で手術をお願いする書類にサインを致しました。
夜9時半過ぎにペースメーカー取り付けの手術開始。手術自体は2時間弱で無事終わりましたが、麻酔から醒めかけたBabsに対面できたのは日付も変わるくらいの時間でした。
術後のBabsは麻酔が残っているためか意識がボンヤリとしていて、時々嫌な夢を見るらしくヒ〜〜〜〜ンと細い鳴き声をあげて痛々し気でしたが、脈拍は今までのように停止したり乱れたりすることなく、規則正しい波形が示されていました。
ペースメーカーは首の脇に埋め込まれたので、もう首輪の装着は出来ないそうです。(Babsは元より高級な革のカラーなんて持って無かったし、散歩もハーネス派でよかった…な)
その日はそのまま駅前のビジネスホテルに一泊して、翌日再度病院に行って入院中のBabsに面会し、自分達の手でフードを食べさせたり、術後の経過を確認して、帰りは一般道を延々と走って帰って来ました。存外遠かったなぁ。
深夜行き当たりバッタリで町のホテルに飛び込み、翌朝街道沿いのファミレスでおかゆの朝食を食べてると、ロードムービーをリアル体験してるみたいな非日常感あって、切ないときめき感じたりして。ああ、何で今こんな知らない町に居るんだろう…みたいな。(笑) 長い二日間だった。
とまれ自分達が到着するまで待機して手術の準備と橋渡しをして下さったかかりつけの副院長先生、速攻で深夜まで手術を行い、ホテルのご紹介の世話までして下さった大学病院の先生とスタッフの皆様に感謝しています。
その後のBabsの経過ですが、まだ覇気はないものの、心拍はペースメーカーにより正常に保たれているので失神も起こさず食餌もガッツリ食べているとのこと。血液検査上は概ね異常無しとのこと。
ひとつ懸念してたのはBabsが家の中では絶対にトイレをしない件でしたが、案の定オシッコだけは頑としてケージ内のペットシーツにしないらしく、先生が根負けして屋外に出したら、すぐに地面にしたそうです。
(バカが付くほど頑固者なBabs姉さん)(^_^;)
ただ、今回の術前検査で心臓以外の部位にも気になる病巣が見つかって居り、今後はそれがどのような悪影響を及ぼすか、体内での感染症などの不安材料は残ってはいるのですが…。
とりあえず病院にお預けして体力の回復を待っている所です。
・・・以上が現在に至るまでにの経緯でした。長々とスミマセン。
あまりに目まぐるしい1週間だったので、自分のための備忘録も兼ねて詳しく書き出してみました。ご容赦下さい。
ともあれ、コメント欄やメールでご心配や励ましのお言葉をお寄せ下さった皆さま、ありがとうございました。
ご存知の病院や先生も数件ご紹介頂きまして、そのお気遣いにも感謝して居ります。予後により参考にさせて頂こうと思います。
今の所、皆さまには個々にお返事致して居りませんが、この場で心よりお礼申し上げます。
また、個展前後から早々にお問い合わせやグッズのご希望などを頂いていた皆さまに、今回の件で迅速な対応が出来ないままになって居りましたこと、深くお詫び申し上げます。
順次ご連絡へのご回答も始めて居りますので、今暫くお待ち下さい。よろしくお願い申し上げます。
長くなりましたが、DENに代わってご報告まで。ありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。m(_ _)m
Wrote:さべあ@DENS/WEB担当
自宅看護中のBabs姉さん。
ちと目がうつろ。
ショッキングピンクの包帯の下は点滴用の針がささっています。
急遽近所のホームセンターで購入したピンクのボアボアの寝袋が…
似合わなすぎ、(^_^;)
だけど、寝心地はまんざらでも無いらしくよく寝ていた。
毛布の下に昔バアバが縫ってくれたフリースのコート(緑系)着てマス。あまりにスンバラバラシイ色柄のため、長らく門外不出の封印していたのですが(笑)、胸元が開いてるので心電図計測の際にジャマにならず、通院中に思わぬ所で役に立ってくれました。